Q1「実はここがこだわりポイント!」な部分を音楽の専門知識がほとんどない人にもわかるように教えてください。
1番重要な部分が「ずっきゅん」。
今パッと思ったのは、(昨年8月に)THE KEBABSの日っていう24時間配信のイベントをやったんですけど、その日に『かわかわ』って曲を作った時かな。曲作るってなった時に物販のグッズのタイトルを先に考えてて、新井さんがグッズに「かわかわなんとか」ってパって言ったのがきっかけで。THE KEBABSの日って色んな粗(アラ)が出てくるのを楽しむ日だった。今は写真に写ってる蚊とかハエとか消せる時代じゃないですか。でもこの世の中には蚊もハエもいますよね。そういう感じがTHE KEBABSのいいところかなって思ってて。全く嘘がつけない、本当にその場の思いつきで曲を作ろうっていう。で、『かわかわ』って曲を自分で作った時に、「かわかわなんとか」だけだとちょっと面白みが少ないなって思ってたんです。歌詞ができて曲を作ってる途中で、ドラムの浩之さんが「ずっきゅんって言おうよ」って言ってくれて。一応この曲は「歌詞:佐々木亮介」って書いてるんですけど、1番重要な部分が「ずっきゅん」(笑)。これを浩之さんが書いてるっていう(笑)。自分で歌詞を全部コントロールしてるようでも、メンバーのちょっとしたひらめきとかが1番重要なスパイスになる。それがTHE KEBABSっぽいなって思う部分。そこを「歌詞は僕なんで」「意見聞けません」みたいなことになってたらそれは起きないわけで。だから「ずっきゅん」がこの曲のチャームポイントになってるのかなと思う。
ドラムの鈴木さんが「ずっきゅん」を提案してきたのがまたいいですね。
「ずっきゅん」言おうよって(笑)。しかもブレイクでね。1番恥ずかしいところで。
「ずっきゅん」であの曲の3割強くらい構成されてると思ってます(笑)。
ありがとうございます(笑)。こだわりというか、そこは重要なポイントだったなって思います。
THE KEBABSの日で作った3曲が『THE KEBABSを抱きしめて』と『ゴールデンキウイ』と『かわかわ』だったんですけど、新曲ができて (THE KEBABSの日の)2日後くらいにすぐレコーディングしたんですよ。THE KEBABSってその場のノリで演奏して、それを正解にするバンドだと思ってずっとやってたんですけど。ギターの新井くんはレコーディングの時の方が生き生きしてるのが結構如実にわかったのが今回面白いなって思って。僕とか浩之さんは即席で作ったら「できちゃうできちゃう」「忘れないうちにレコーディングしよう!」「終わったやった!」「飲みに行こう!」みたいな感じだったんですけど(笑)。ギターに引き継ぐ時には新井くんはそのトータルバランスをすごく考えてやってくれているんですよね。即席だけだと少なくとも新井くんの中では「ちょっと味気ないよね」っていう気持ちが多分あるんだと思う。音楽のワクワク度的にはもう一揉みした方が楽しくなるんだろうなって。だからEPの5曲のバランスが良いっていうのは新井くんがまとめてくれたのが大きいんじゃないかな。ライブやってる時の新井くんのプレーとレコーディングやってる時の新井くんのプレーを聴き比べてみると、結構細かいこと構築してんだなっていうのが、CDを聴くとよりわかります。
ライブ版とCD版で、特にギターは演奏が違うところがあるんですね。
多分違うと思う。ライブの時は大体思いつきでやってて、レコーディングの時は緻密にバランスとかを考えながらやるっていう使い分けはしてるんでしょうね。レコーディングでめちゃめちゃ構築したフレーズを絶対ライブでやるんだとも思ってないし。そこのチャンネルの使い分けが、自分にはない回路なのですごい面白いなと思って。とても面白い発見があるレコーディングとライブでした。
Q2自分以外のメンバーの各パートの「グッときたポイント」で、ギターのフレーズや歌い方など、好きな部分を教えて欲しいです。
新井くんが「ギターソロを弾きたくない」って毎日のように言っているからこそ、弾いたギターソロはすごく愛おしいんですよね。
『ゴールデンキウイ』っていう曲に「デデデデデ、ピキィ!」みたいなノイズをたくさん入れてるんですけど、そのノイズのセンスが新井さんはすごく良い。ノイズならなんでもいいわけじゃない。今日まさに自分のソロ曲を作ってミックスしてたんですけど、テーマが「人の耳を攻撃する」っていう(笑)。耳を痛めつけるような曲にしたいなと思ってやってたんだけど、新井さんのノイズってすごくメロディーがあって、優しいノイズというかセンスフルというか。それがいいなと思ってる。田淵さんだったら『かわかわ』のコーラスの時にセンスが爆発してたな。ファルセットでいっぱい入ってるんですけど、本当に田淵さんのすごさがある。レコーディングしながら思いついたハーモニーをガンガン足していくんですけど、思い付くのとパッと表現できるかっていうのはまたスキルが違う。あと、歌ってからのエンジニアとの会話が速くて、「こういう処理で」って思いついたことを形にするまでのスピードがすごい。センスだけでは片付けられない、毎日走ってる人のすごさだなと思う。浩之さんも全体的にすごすぎるんですけど、好きなドラミングで言ったら『ともだちのうた』のイントロからドラムが入る時のフィルインにすごくメロディーがあるところ。それ以外のパターンで入ったらダメっていうくらい完璧なメロディーで。新井さんが(体調不良で)休んだから作った曲なんですけど、OTODAMAっていうフェスで田淵さんと浩之さんと3人で初めて演奏するっていう。やったことないし正解がないからなんでもいいやって思ってる部分もあったけど、俺はギターだから新井さんがギター弾いてくれないことにちょっと不安もあるわけで(笑)。でも、浩之さんがフィルインした瞬間に無敵の気持ちになれたんですよね。音源でも確認できるんですけど、OTODAMAの時のあのフィルが入った時の無敵の気持ちは忘れられないくらい素晴らしかった。ビートが始まる前のドラムのフレーズが好きなところです。
僕はやっぱり新井くんが「ギターソロを弾きたくない」って毎日のように言っているからこそ、弾いたギターソロはすごく愛おしいんですよね。
めちゃくちゃ弾かせますけどね(笑)。
弾きたくない人が仕方なく弾くけど、妥協はできないから一生懸命考えたギターソロ愛しいんですよね。ああいうの聴くと嬉しくなっちゃう(笑)。
今回のギターソロめっちゃ好き!って思いながら聴いてます。
ありがとうございます。やっぱりポップな曲にはポップでやった方がいいし、勢いでやれちゃう曲は勢いでやった方がいい。そこの使い分けにどのくらい時間かけてるのかわからないけど、実際レコーディングの時に結構時間かけてるんですよね。それがかっこいいなって。本当に細かいところまで考えて調整して音作りをするから、そういうのを見ると単純に音楽家として刺激になるというか、ちゃんと考えるの大事だなって思う。今回の音源はギターを後で録ったんですけど、レコーディングで入ってきた時に「うわぁ、(ライブと)こんなに景色変わるんだ」って毎回ワクワクするんですよ。それがギターソロによく出てたなって思います。浩之さんは、8ビートのドラムでビートに入った時にとにかくベースとして乗っかりやすい。めちゃめちゃしっかりどっしりしてるから、これが正解でいいんだっていう安心感があって。自分で何か責任を持たなきゃいけない感じがないっていうのが、特にEP前半の3曲にある。素敵なドラマーってめちゃくちゃいっぱいいますけど、浩之さんとやってる時は特に安心感あるなって思います。佐々木は『ともだちのうた』も『かわかわ』も『THE KEBABSを抱きしめて』もそうですけど、1日で歌詞を書いたっていう事実がすごいなと思っていて。『ともだちのうた』のAメロとか何回聴いても泣いちゃいますもんね。このアプローチあったんだって。「ノートは取っておいてあげられない」からの「プリンは絶対取っといてあげる」ていうのがツボを突いてるし、ロマンティックだし。これがすぐ出てくるのってすごいなーって感心しているので、これも大いに作詞家として刺激になりますよね。
やばい(笑)。
やっぱ佐々木くらいやんないとこの反射神経はつかないんだなって。今までとにかく息をするようにライブやってきて、いろんな活動をやってきて即興で喋るっていうのを、ずーっとやってきたからできる反射神経なのかなって思うと、羨ましい気持ちもめちゃくちゃあるし。だからその作詞力に助けられた制作だったし、「ここから先は佐々木頼む」って投げられるのは一緒に曲を作る相手としてとても心強くて楽しかったです。
またCDの聴き方が変わりますね。
聴いてみてください。
MUSIC
TOUR
THE KEBABS 熱熱
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2023.07.18 Tue
仙台darwin
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2023.07.21 Fri
梅田CLUB QUATTRO
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2023.07.22 Sat
名古屋CLUB QUATTRO
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2023.07.25 Tue
札幌cube garden
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2023.07.27 Thu
渋谷Spotify O-EAST
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2023.07.29 Sat
福岡BEAT STATION
PROFILE
THE KEBABS(ザ・ケバブス)
Vo&Gt 佐々木亮介(a flood of circle)、Gt 新井弘毅(ex. serial TV drama)、Ba 田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)、Dr鈴木浩之(ex. ART-SCHOOL) からなるロックバンド。2018年11月突如バンド結成がアナウンスされ、以後神出鬼没にライブを行う。2020年2月にライブアルバムでデビュー。コロナ禍によりツアー全日程が中止となるも、制限される状況下でも予定になかったシングルリリース、無観客ライブDVD販売、配信ライブ開催など、できる限りの好き放題をやって駆け抜ける。
2023年3月に『幸せにしてくれいーぴー』をリリース。フェスなどの出演も決まっており、今後もTHE KEBABSのアグレッシブな活動は続いていく。
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