THE KEBABS『幸せにしてくれいーぴー』インタビュー

THE KEBABS × bakemono

Q3今回3曲を生配信中に作ったということで、今までに比べて直感的な曲が多いと思いますが、作詞作曲していく中で「これめっちゃいいな!」と思う基準みたいなものはありますか?

心の弱さが田淵さんのハンコを求めてたりするんですよね。

まず人に褒めてほしいっていうのが自分の根底にあって。弱いから(笑)。『かわかわ』でいうと1行目の「凍ったゼリーでおでこを冷やしてる」っていうのを書いた時に、自分的には結構聴いたことがない歌詞だし、まあいいかなと思ったけど、その瞬間は書いたばっかりすぎて全然客観的じゃないんですよ。その時に誰かに褒めて欲しいわけでもないというか…この心の弱さが田淵さんのハンコを求めてたりするんですよね(笑)。

あっはっは(笑)。

その時に一言「それいいね」って言われると、「じゃあいける!」って確信が待てて。そこが今回自分で「いいね」のポイントを掴めたかなと思った瞬間。『かわかわ』の2番の「しりとり“り”攻め仕掛けてくる」とかは、1行目でハンコもらってるから勇気が持てる。この歌詞も多分(世の中に)ないなって。自分の中で「これは他で聞いたことない」って逆張りするのが1番大事だと思ってるんで(笑)。逆張りができてるから成功してるなっていうのをまずひとつ(自分の中で)OKにするのと、それがいいのかっていうのはタブハンコ(田淵さんのハンコ)が押されていると進められる(笑)。やっぱバンドだから、メンバーのハンコがあると進める。それが大きい。

『かわかわ』

確かにそれはTHE KEBABSの時は特にある。他の3人がいいねって言ってくれるのを待ってるみたいな(笑)。「いいじゃん」って言ってくれたら「これいい曲なんだ」ってなる。他人に任せられるところを楽しんでいる感じはすごくあるね。

うん。

良い曲を作りたいというか、みんなで楽しくできたらいいなっていう気持ちもすごく強いから、「おっ、これいいね」ってポロっと嘘でも言ってくれた時の喜びあるよね。それがもらえただけでも俺的には良い曲作れたっていう。みんなと楽しくやるための目標は達成されたみたいな感じはあるかな。承認欲求に関してはメンバーから褒められたいっていうのが1番大きいですね。

Q4『THE KEBABSを抱きしめて』だと1番の歌詞は子どもにも説明できるような歌詞ですけど、2番で「家は地球に借りている 時は神様に借りている 借りているものはいつかは返す」っていう、急に現れる意味深な歌詞がどの曲にもあって。
その辺は何か意図があるんですか?

歌詞を書いてるうちにだんだん自信がついてくる。

多分子どもでもわかることって、むしろその意味深の部分に近いのかなって思ってて。例えば家賃は大家さんに収めなければいけないっていうのは大人の理屈ですよね。

はい。

じゃあ「なんでそこの土地は高いの?同じ地球でしょ?」っていうのは子どもの言い分じゃないですか。だからTHE KEBABSでいる時の承認欲求っていうのがお客さんじゃなくてメンバーにまず向いちゃってるのが、すごく子どもっぽいなって。あと自分は本当にクソ人間だなっていつも思うんですよ。もうお金が欲しくて(笑)。なぜ自分はクソなのかとか生きているのかって哲学的なことに触れてる時に、子どもでもわかる部分こそが哲学的なことに近いと思ってて。「大人」ってなぜ生きているかをなるべく考えないようにして生きていくことだと思うんですよね。考えない方が合理的だし、ビジネスにそれ持ち込んじゃったらやってられないじゃないですか。割り切ってる方がいいっていうか。で、微妙に割り切れない部分があるのが自分としては“生きてる”ってことなので、そこを無しに歌詞を書くのは結構難しい。田淵さんが書いた『猿でもできる』って曲の「踊れるやついるか」って歌詞は大人的な意味で楽しいって誰でもわかるし、俺的にはなぜ生きてるのかとか考えちゃう。「猿でもできる」って言葉の中にすごく感じる部分があるんですよね。歌のニュアンスとかでも感じたことを表現したりするんですけど。だから意味深な歌詞は常に狙って入れているというか、そういう風に生きているということですね。だから出ちゃうと思うし、子どもっぽいなって自分で思います(笑)。

ありのままを出すっていう感じですね。

それを出さないと。ふざけてても書く意味があんまりなくなる気がする。

わかるなあ。

簡単な歌詞であるからこそ、解釈が広がるというか。知識が増えてきた中でいろんな解釈ができるので、深みが逆に増すっていうのは確かにありますね。

そうですね。今自分達が30代半ばだからこそ出てくる歌詞がすごくある。年相応のこと書いても多分ピンとこない。自分たちのリアリティが却ってそこに入ってる感じがします。

10代で聴くのと30代で聴くのと、また受け取り方が違うかもしれないですね。

うん。そうかもね。

僕ももしかしたら佐々木と似ているかもしれなくて、あんまり考えずに書いてた時にふと出てきた一文がロマンティックだと超嬉しいみたいなところがあって。逆に言うと基本的にロマンティックなことを言いたいと思ってなくて。むしろ適当なことを書きたいって思って書き始めていて、全体的に書いていくと「どうでもいいこと書いてるだけだと、書いてる身として釈然としねーな」っていう意地みたいなものが意味深な歌詞を書かせてるんじゃないかなとも思っていて。『THE KEBABSを抱きしめて』の2番で佐々木がそういう顔を出してくるのって、書いてる間にだんだんそういう気になってきた説があるんじゃないかって思ってる(笑)。

あーそうかも(笑)。バランス取ってるのかもしれない。

『ともだちのうた』

僕も前のアルバムで書いた『ロバート・デ・ニーロ』っていう曲の歌詞を結構気に入っていて。冒頭から書いていったんですけど、最初の「サンタクロースの落とし物は」から「サンタクロースってことはトナカイだから角に引っかかってた」「子どもたちがそれに気づくのは夏」って言ったらなんか雰囲気出るから「夏にしよう!」って感じで、ちょっと大喜利みたいな感じで膨らましていくんです。それが2番では「今日も誰かが誰かの悪口をあんまり考えないで言っている 僕は寝転んでそれを聞きながら世界を平和にしたくなっている」ってなると、「なんか意味のあること言ってる!」みたいな(笑)。書いてるうちにその気になっていくんじゃないかな。

いやー、的確だな(笑)。

なんかあるよね。「ずっとふざけてても嫌だな」みたいなスイッチが(笑)。

そう言われたら俺、『ロバート・デ・ニーロ』の田淵さんに影響を受けすぎてるかも。

『ロバート・デ・ニーロ』書いてる時はまさにそうで。書いてて、1番のAメロの歌詞も好きなんだけど、ここまで書いて急に意味深なこと言ったらなんかロマンティックだし、このエッセンス入れると「なんか達成感あるぞ」って(笑)。書き続けてるから、そこに向かって筆が進むみたいな気がするんですよね。だからそのバランスがTHE KEBABSの歌詞には多いんじゃないんですかね。

だから2番にそういうのが多い(笑)。

そう、楽しい(笑)。だから歌い出しから良いこと言おうとしてたら、「違うだろ、俺たちふざけてる感じなの」っていう方に向き直って進んでるんじゃないかなとも思います。

素晴らしい。歌詞を書くことで悩んでる人みんなに言ってあげてください。1行目から良いこと言おうとするなって(笑)。

真ん中で言っとこうみたいな。

そうそう(笑)。僕も佐々木もそうだと思うんですよね。自信持って(歌詞を)書き始めてるわけじゃなくて、書いてるうちにだんだん自信がついてくる。

そうかも。乗ってきちゃう(笑)。出てきちゃうっていうかね。

『常勝アミーゴ』

あとEPを聴いてて面白いなって思ったんですけど、ファンは既に全曲知ってるっていうのがいいなって。ファンにとっても思い出が詰まってる状態で出たEPって結構珍しいなって思いました。『ともだちのうた』とか『常勝アミーゴ』とか全部ライブで先に聴いてて。2022年が詰まった思い出のアルバム感がすごく好きです。

確かに。

ライブバンドっぽいよね。ライブでやってる曲しか入ってない。

そうね。思い出のアルバム感あるな。

普通タイアップがついてるとかならあるけどね。ライブでやってる曲しかないって確かにすごいね(笑)。

そうなんですよ。しかも1曲くらいはまだ聴いたことないとかが多いんですけど、全部知ってる。なんなら昨年の必死ツアーで全部聴いてるっていう(笑)。

最後にレコーディングで答え合わせしにきてるっていうね。

それが結構面白くて楽しんでます。

1 2 3 4

MUSIC

THE KEBABS CD 『幸せにしてくれいーぴー』

ライブ映像24曲+特典映像2曲付 幸せにしてくれいーぴー

  1. THE KEBABSを抱きしめて
  2. ゴールデンキウイ
  3. かわかわ
  4. ともだちのうた
  5. 常勝アミーゴ
詳細はこちら

TOUR

THE KEBABS 熱熱

  • 2023.07.18 Tue

    仙台darwin

  • 2023.07.21 Fri

    梅田CLUB QUATTRO

  • 2023.07.22 Sat

    名古屋CLUB QUATTRO

  • 2023.07.25 Tue

    札幌cube garden

  • 2023.07.27 Thu

    渋谷Spotify O-EAST

  • 2023.07.29 Sat

    福岡BEAT STATION

ライブ一覧はこちら

PROFILE

THE KEBABS(ザ・ケバブス)

Vo&Gt 佐々木亮介(a flood of circle)、Gt 新井弘毅(ex. serial TV drama)、Ba 田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)、Dr鈴木浩之(ex. ART-SCHOOL) からなるロックバンド。2018年11月突如バンド結成がアナウンスされ、以後神出鬼没にライブを行う。2020年2月にライブアルバムでデビュー。コロナ禍によりツアー全日程が中止となるも、制限される状況下でも予定になかったシングルリリース、無観客ライブDVD販売、配信ライブ開催など、できる限りの好き放題をやって駆け抜ける。
2023年3月に『幸せにしてくれいーぴー』をリリース。フェスなどの出演も決まっており、今後もTHE KEBABSのアグレッシブな活動は続いていく。

オフィシャルサイトはこちら

bakemono(バケモノ株式会社)

バケモノは2013年8月に設立した、大阪市北区のWEBサイト制作会社です。コンセプトは「おもしろく、おかしく、クリエイティブに。」常にお客様に対してクリエイティブなものをご提供し、その企業の「らしさ」を表現します。

bakemonoサイトはこちら