Q5「幸せにしてくれいーぴー」ということで、「幸せ」というワードに焦点を当てたいんですけど、自分がハッピーな時と落ち込んでる時、どちらの方が創作意欲が出てきますか?
個人的にいろんなクリエイターの方に聞いていて、いろんなきっかけがあるので気になっています。
「これをやってたら僕はいつかハッピーになれるんでしょうか?」
ハッピーってなんだろうな…(笑)。
あはは(笑)。
どちらかというなら、落ち込んでる時寄りかな…。お金欲しくてやってるっていう路線でいくと、やっぱり締め切りがないとなって思うんですよね。締め切りめがけて作っていくって結構あって、「お金が欲しい」とか「締め切り」が先にあるって考えていくと、そもそもハッピーじゃないっていう状態から始まってるなって。だから「これをやってたら僕はいつかハッピーになれるんでしょうか?」みたいな感じでやってるような。けど幸せというものが結構幻な感じもありますよね。本当にピュアハッピー状態って飲みすぎてる状態とかかな(笑)。でも飲みすぎてる状態で絶対曲作れないんで。そういう意味で強いていうと落ち込んでる時寄りじゃないかな。本当に落ち込んでる時ってやってらんないですけどね。
そうだよね。本当に落ち込んでる時はやってらんないな(笑)。何も出てこない。ハッピーな時っていうのが満たされてる時だとするならば、満たされてる時には確かに出てこない気がするんだよな。満たされてるから自分でものを作る必要がない。かと言って俺が落ち込んでる時に曲を作るのかっていうと、別にそうでもない。曲がバーンって湧いてくる瞬間って、自分のマインドがどうとかじゃなくて、外から何かしら刺激を受けた時な気がする。そういう時に「これを作れば俺は満たされるんじゃないだろうか」っていう予感に向かって筆が動いた時っていうのは、さっき佐々木が言ってた「これをやったらハッピーになれるかもしれない」に近いのかもしれない(笑)。曲を書くのが好きって人もいれば、お客さんを幸せにしたいって人もいるし、お金が欲しいって人もいるけど、多分どれにも共通してるのが「これをやると自分が満たされた状態になるかもしれない」っていうのは結構言い得ているんじゃないかと思ったけどね。
なるほどです。実はバケモノ株式会社でも学生向けのイラストと写真のコンペみたいなものを毎年やっていて、受賞者の方にインタビューをした時に全く同じ質問をしてたんですよ。その時はハッピーな時に作品を作るっていう人が結構多くて。私も絵を描くんですけど、逆に私は落ち込んでる時の方が面白いものが描けるんですよ。それこそ満たされていない時に。で、特に悩みも不満もない時はすごくつまらないものしか描けない。なんの捻りもないもの。学生の頃に怒りに任せて描いた作品だけ賞を取ったりしたこともあって。満たされたいって欲から「自分を救いたい」「自分のために描こう」ってなった時にすごく面白いものができるっていう感覚があります。
沁みるわその話。
いい話。
自分のためにっていう時に曲ができる。それ本当にそうかも。
それってバンドの曲とか聴いてても、「みんなありがとう」みたいなことを言ってる曲よりも「絶対ここから這い上がってやるぞ」みたいな曲の方が私は感じるものがあって。多分自分自身がハッピーじゃない時の方が良いものが描けるっていう感覚を持ってるからだと思うんですけど。こういうのって自分だけなのかなって思ってた部分もあって。でもプロの方に聞いて、満たされていない時の方が出てくるっていうのはちょっと嬉しかったです。
そうだね。佐々木の「ハッピーな時ではない」ってのは、僕的にもすごくシンパシーを感じて。消去法で「ハッピーな時」が消える感じはあったんだよな。やっぱ酒飲んで友達とめっちゃ楽しい話をして「うわ、ハッピー!」っていう時には曲書かないだろうって思う(笑)。それぞれ作風があるから、もちろんハッピーな時の方が書けるんだっていう人もいると思うけど。それこそ今回のa flood of circleのアルバムレビューしてる人が「佐々木の『満たされていない感』を書き続けているのがすごい」って言ってたし。『花降る空に不滅の歌を』は結構その塊みたいなアルバムじゃないですか?
めちゃくちゃわかります。
日々の楽しそうにしてる佐々木を見てると「やっぱ今でも佐々木ってこういうマインドなんだ」っていう答え合わせをする感じがある。変わってねえーっていう感じが結構グッとくるんですよね(笑)。
ははは(笑)。
それを30代後半になっても出すっていう。しかもそれがかっこいいっていうのも大きくて。ただ喚いて文句言っててもハマらない人もいるし、「いい歳してそういう態度になっても…」って思うこともあるんだけど、佐々木の歌を聴いてると思わない(笑)。やっぱ最初に佐々木が言ってた「ハッピーな時ではなくて、こういう時にこういうマインドで作ってることが多い」っていうのが、その証左なんじゃないかなって。佐々木くんいかがですか(笑)。
結果a flood of circleを褒めてくれるっていう形で(笑)。俺は自分がすごく普通だなって思うんですよ。だから友達とか誰かが死んだ時にバッて筆を取れないっていうか。本当に悲しい時は絶対書けなくて。天才だなって思ったのが、共通の友達が亡くなった時に一緒にバスに乗ってたイマイアキノブさんって人が、革ジャンのポケットからマジックを取り出してバスの壁に絵を描き始めたんですよ。悲しすぎて。その時に「この世にアートっていうものがあるなら、これだな」って思って。でも俺は悲しすぎて悲しんじゃうんですよね。自分の心がもう少し戻ってきた時に曲を書いてると思う。それは何か聴かせようっていう欲も働いてて。普通なんですよ。それは自分でわかるんで。だから今仰ってた、悲しい時に絵ができるって天才じゃない?って思うんですよね。すごいこと。
俺も忘れないでいよう。
悲しい時にできるってすごいと思うし、自分もどこかでそっちに近いと思う。多分。
どこか救われるところがありますよね。外に昇華したことによって自分自身もちょっと楽になるというか。
うん。そうやって外に向かって自分のために作る作品っていうものの強さってすごくあると思うんですよね。いざモノとして売ろうという時のパワーとのバランスもあると思うけど。すごく考えさせられる話だと思う。
いい話だよ。めちゃくちゃいい話。忘れないようにしよう。
Q6最近「かわかわ」だなあと思った出来事を教えてください。
猫ってすごいなって。
最近エゴン・シーレっていう人の美術展に行って、名言みたいな感じで「すべての芸術家は詩人でなければならない」ってあったんですけど、「これ言ってる俺最高!」って思ってそうな感じがめっちゃ可愛いなって(笑)。自分でもナルシスティックな気持ちをわざわざ言葉とか表現として出す時って、どこかで客観視してる時があって。ナルシスティックなものを見る時、俺は結構可愛いなって思っちゃうんですよね。コード進行とか考える時にもっとドライにしてもいいのに、わざわざすごく切ない恥ずかしいコードを使うのも可愛いなって思うほど(笑)。さっきの話でもそう思ったけど、歌詞とか良いことが出てくる時はいきなり名言に行けないっていうか。2番で出てくる感じだと思うんですよ。楽して名言集を見たり、検索した時にすぐ出てくるけど、その言葉って人生の途中の第何章かで出てきてる。その言葉に行き着くまでのストーリーも込みで、その恥ずかしい言葉をみんながピックアップしちゃってるんだけど、多分本人はあんまりそういうつもりないっていうか。現代に復活させようと思ってない(笑)。言ってないかもしれないことをみんなが有り難がってる状態も可愛いし、本人が作品集に書いてる言葉だったら、その恥ずかしさも可愛いなと思う。
人間らしさみたいな(笑)。
そうそう。人の恥ずかしいものを見ると可愛いなって思う(笑)。自分が可愛いと思われたい時はやっぱ恥ずかしさを出しますよね。
んふふ(笑)。
田淵さんはいかがですか?
めちゃめちゃベタなんですけど、猫ってすごいなって。猫の動画をたくさん観たんですね。
(笑)。
その時にやっぱり猫って可愛いなって思ったことがあったのと、ちょっと別の話で、ワシントンの刑務所で態度が良ければ猫の里親になれるっていうのがあって、受刑者の人の態度が良くなったみたいな記事があって。やっぱ猫強ぇーなって思いました(笑)。
MUSIC
TOUR
THE KEBABS 熱熱
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2023.07.18 Tue
仙台darwin
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2023.07.21 Fri
梅田CLUB QUATTRO
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2023.07.22 Sat
名古屋CLUB QUATTRO
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2023.07.25 Tue
札幌cube garden
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2023.07.27 Thu
渋谷Spotify O-EAST
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2023.07.29 Sat
福岡BEAT STATION
PROFILE
THE KEBABS(ザ・ケバブス)
Vo&Gt 佐々木亮介(a flood of circle)、Gt 新井弘毅(ex. serial TV drama)、Ba 田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)、Dr鈴木浩之(ex. ART-SCHOOL) からなるロックバンド。2018年11月突如バンド結成がアナウンスされ、以後神出鬼没にライブを行う。2020年2月にライブアルバムでデビュー。コロナ禍によりツアー全日程が中止となるも、制限される状況下でも予定になかったシングルリリース、無観客ライブDVD販売、配信ライブ開催など、できる限りの好き放題をやって駆け抜ける。
2023年3月に『幸せにしてくれいーぴー』をリリース。フェスなどの出演も決まっており、今後もTHE KEBABSのアグレッシブな活動は続いていく。
bakemono(バケモノ株式会社)
バケモノは2013年8月に設立した、大阪市北区のWEBサイト制作会社です。コンセプトは「おもしろく、おかしく、クリエイティブに。」常にお客様に対してクリエイティブなものをご提供し、その企業の「らしさ」を表現します。
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